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パイプで何度転んでも笑顔がまぶしい。五輪スロープ金メダル候補筆頭のゾーイが迎えるオリンピックイヤーの序章
2025.06.25
北京五輪スロープスタイル金メダリストにして、24-25シーズンには「X GAMES」スロープスタイルで金、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップではスロープスタイルで2勝、ビッグエアで1勝、FIS世界選手権スロープスタイルを制するなど、圧倒的な実績を積み重ねたゾーイ・サドウスキー・シノット。言うまでもなく現在、もっとも強く美しいスタイルを持つライダーのひとりだ。
そんな彼女が6月初旬、米オレゴン州マウントフッドを訪れ、数日間にわたるパークセッションを映像に残した。そのムービーには、いつものスロープスタイルとは違う、肩の力が抜けた表情のゾーイが映し出される。高難度なスイッチバックサイドスピンで世界を制する彼女が、専門外のハーフパイプでクリップラーに挑み、何度も転びながらも笑っている姿がとても印象的だ。
スノーボードの合間には、サッカーボールでのリフティングやゴルフなど、リラックスした時間も切り取られている。来たる冬は再びオリンピックイヤー。重圧がかかることは容易に想像できるが、少なくともこの映像からは、競技者としての顔とは違う、彼女の素の表情がのぞく。
ともに滑るのは、同じニュージーランド出身のティアーン・コリンズ、そして、アメリカのスコット・スティーブンスやメイソン・レマリーら。気心の知れた仲間たちとのセッションだからこそ、自然な笑顔がそこにある。
ゾーイがこれまで築いてきた実績は確かなものだ。しかし、その裏側にある“楽しむことの強さ”が、本作にはにじみ出ている。頂点を目指すコンペティターでありながら、雪の上では常に自由を愛する、ひとりのスノーボーダーであり続けること。そんなゾーイの等身大の夏が、ここに映し出されている。