
COLUMN
南米の雪が日本の冬に示唆を与えるのかもしれない。チリ・バジェネバドが今季も早期オープン
2025.06.23
南米チリ・サンティアゴからクルマで約1時間半、標高3,000m近いアンデス山中に位置するバジェネバドは、南半球屈指のスノーリゾートだ。昨シーズンに続き今シーズンも当初の予定より1週間早い6月14日に営業をスタートした。
昨シーズンは記録的な降雪により、例年より3週間も早い6月1日にオープンしていたことを考えると、今年はそこまでの豪雪というわけではない。だが、それでも例年より早いオープンという点で、安定した降雪傾向が続いていることがうかがえる。
このバジェネバドを含むチリのアンデス山脈では、太平洋の海水温や気圧配置の影響を強く受ける。実際、昨シーズンのチリが記録的な雪に恵まれた半年後、日本の24-25シーズンも、特に本州エリアで素晴らしいスノーシーズンとなった。
もちろん、半年後の日本の冬と南米の雪が直接つながるとは断言できない。しかし、背景にある気候システム、たとえばエルニーニョやラニーニャといった海洋・大気現象の兆候として考えれば、南半球での早期降雪は注視するべき“サイン”とも言えるだろう。
気候変動の影響が年々顕著になるいま、日本の真裏に位置するバジェネバドの好スタートが、グローバルな気候の動きを映し出しているのだとしたら──きたる日本の冬にも、期待を寄せたくなる。
実際、NOAA(アメリカ海洋大気庁)から発表された最新情報(記事はこちら)でも、冬にかけてラニーニャ移行の可能性が示唆されている。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)