BACKSIDE (バックサイド)

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冬を守るために、いまが動き出すとき。スポーツ基本法に「気候の変動」が明記

2025.06.16

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2025年6月13日、スポーツ基本法が14年ぶりに大幅改正され、「気候の変動への対応」が初めて法文に明記された。熱中症などのスポーツ事故防止に対する措置として位置づけられたこの変更だが、ウィンタースポーツにとっても、見逃すことのできない大きな一歩となっている。
スノーボーダーにとって“冬”は遊び場であると同時に、かけがえのない生活の一部だ。しかし気候変動の影響は、その“日常”を根底から揺るがしつつある。雪不足による営業短縮、降雪エリアの縮小、さらには山岳地域の観光・経済活動への打撃。それはスノーボーダーやスキーヤーだけでなく、ゲレンデや町の未来にも関わる大きな問題だ。
そんななか、「雪のある未来」を訴えてきた一般社団法人「Protect Our Winters Japan」(POW JAPAN)は、今回の改正を歓迎しつつも、スポーツ事故への対応にとどまらない本質的な気候変動対策を求めて声を上げている。POW JAPAN代表の小松吾郎が「私たちは、ただ気候変動を見ているのではなく、正面から向き合い、スポーツの力も生かしながら、できることから行動を重ねてきました」と語っているとおり、彼らのこうした姿勢は、スノーボーダーにとって決して他人事ではない。詳しくは、こちらのプレスリリースを参照してほしい。
これまで冬の遊びを楽しんできた僕たちが、これからもその“当たり前”を次世代につなげていくためには、気候変動と真摯に向き合う必要があり、日々の選択やアクションが雪山を守る一歩になる。スポーツ基本法の文言が変わっただけでは、現場は変わらない。けれど、その一歩がなければ変わることさえできないのだから、大きな転換期を迎えたことは紛れもない事実だ。
本記事のトップ画像は、2020年1月24日に筆者が新潟・苗場で撮影したもの。周囲の山々は地肌が見えていて、ホテル前はコンクリートがむき出しになってしまっている。思い出してほしい。19-20シーズンは、記録的な暖冬に苦しめれていた。雪はいつも、僕たちスノーボーダーに最高の時間をくれた。その雪を守るために、次に動くのは僕たち自身なのかもしれない。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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