BACKSIDE (バックサイド)

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角野友基と片山來夢が空で交わる──「WORLD QUARTERPIPE CHAMPIONSHIPS」頂上決戦

2025.04.30

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スノーボードというカルチャーの根源的な魅力と言えば、“高さ”、“スタイル”、そして“自由”で間違いない。これらを体現する特異なイベント「WORLD QUARTERPIPE CHAMPIONSHIPS」が、2025年4月25日に米カリフォルニア州マンモスマウンテンで開催された。主催はSLUSH THE MAGAZINE。高さ28フィート(約8.5m)の巨大クォーターパイプを舞台に、世界中から集まった精鋭たちが“もっともカッコいい空中遊泳”を競い合う。SLUSHになってからは5回目を数えるが、同メディア編集長のパット・ブリッジーズが1998年にスタートさせた伝統的なクォーターパイプのイベントだ。
近年のこのイベントでは毎年のように、日本人ライダーが大きな注目を集めている。2022年の覇者は片山來夢。2023年には角野友基がその名を刻み、昨年2024年は來夢が「NIXON BEST TIME AWARD」を獲得するも、オーストラリアのヴァレンティノ・ギュゼリにタイトルを譲っていた。
そして2025年──再び頂点に返り咲いたのは友基だった。バックサイドスピンとしては驚異的な高さを生み出しながら540や720を、28フィートの壁で堂々と披露。安定感と独自性を兼ね備えたライディングで、ライダー仲間や観客から大きな喝采を浴びた。
來夢も本大会常連ライダーのひとりとして大きな存在感を放った。飛ぶ鳥を落とす勢いでグローバルを舞台に活躍している男が放ったメソッドエアやマックツイストは、力強さの中にどこか余裕すら感じさせるスタイルで、観る者に強い印象を残した。
コンテストとはいえ、そこにあるのはピリついた空気ではない。笑い合い、拍手し合いながら、互いを高め合う雰囲気。クォーターパイプというシンプルな舞台の上で、ライダーたちは純粋に「スノーボーディングの楽しさ」を表現していた。
自由な発想と確かな技術が共存するこのイベントは、スノーボードという文化の多様性を再認識させてくれる。日本人ライダーが再び世界の頂点に立った今年のイベントは、その意義をあらためて示してくれた。

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