BACKSIDE (バックサイド)

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季節外れの大雪が観測史上最多を記録。スイス・アルプスで2日間226cmの積雪

2025.04.20

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スイス南部のシンプロン地方に位置するボルトルゼー観測所で、2025年4月15日から17日にかけて、わずか2日間で89インチ(約226cm)の積雪が観測された。3日間累計では97インチ(約247cm)に達し、スイス国内における短期間の積雪量としては観測史上最多の記録となった。
この大雪は、イタリアの気象当局により「ハンズ」と命名された低気圧によるもの。ジェノヴァ湾上空で発生し、地中海から温かく湿った南東風をアルプス南部に運び込み、山岳地形による強制的な上昇気流と交差することで、シンプロン地方を中心に激しい降雪を引き起こした。さらに高地に滞留していた冷たい気団との衝突により、記録的な積雪につながったとされている。
この気象現象の影響は、単なる記録更新にとどまらない。雪崩の危険性が高まったことを受け、スイス・ツェルマットやフランス・ヴァルディゼールなど、複数のスノーリゾートが一時的に閉鎖。アクセスする鉄道や道路も遮断され、ヴァリス地方の一部では停電も発生した。現在、アルプス全域で雪崩、洪水、土砂崩れのリスクが高まり、各地で気象警報が発令されている。
4月中旬という季節外れの豪雪は、近年の気候変動が山岳地帯に与える影響を改めて考えさせられる出来事となった。異常気象がもはや“例外”ではなくなりつつあるなかで、自然の変化をどう読み解き、どう向き合っていくか。スノーボーダーとしての視点もまた、アップデートを求められているのかもしれない。

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