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スノーボーダー人生の分岐点。競技者から表現者へ転身を遂げたフィンランド人の『SHIFT』
2024.11.06
スノーボード業界には万国共通のテーマがある。元来、スケートボードに端を発して“遊び”として始まったフリースタイルスノーボーディングは、“ライフスタイル”であり“カルチャー”へ昇華。コンテストとも共存していたわけだが、1998年の長野五輪を皮切りにオリンピック種目に採用されると、競技化は加速し続けることに。あれから26年。四半世紀という時が流れると、遊びでありカルチャーだったスノーボードはスポーツとなり、オリンピックを頂点としたFIS(国際スキー・スノーボード連盟)大会に参戦する若者が世界中にあふれた。
本記事の主役である、フィンランドのミッコ・レーンバーグもそのひとり。スロープスタイル&ビッグエアのFIS大会に2011年から参戦。現在27歳となったミッコは22-23シーズンまで12年間に渡りFIS大会に出場するも、残念ながらオリンピック出場は叶わなかった。
ここからが万国共通の問題だ。コンテストから引退したスノーボーダーたちは、どのように生きていくのか。大会のみに縛られていたら選択肢が限られていたのかもしれないが、ミッコは競技者として大会を転戦する傍ら、スポンサーであるRIDE SNOWBOARDS(ライド スノーボード)ユーロチームの撮影に積極的に参加していた。スノーボーダーが目指すべき道はオリンピックだけではないと当初から考えていたからだろう。だからこそ、競技者ではなく表現者へとスノーボーダー人生を“シフト”させることに成功。これが本作のタイトル『SHIFT』の由来である。人気映像プロダクション「SHRED BOTS」よりショートムービーがリリースされた。
スロープスタイル競技を通じて体得したジブスキルをベースに、これから表現者として培っていく表現力を加味しながら、ストリートで異彩を放つ。ミッコの第2のスノーボード人生、とくとご覧あれ。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)