BACKSIDE (バックサイド)

BACKSIDE (バックサイド)

https://backside.jp/movie-1873/
32586

MOVIE

肌の色も大会結果も関係ない。多くの人々を多様性あふれる雪の世界に巻き込むゼブ・パウエル物語

2023.10.19

  • facebook
  • twitter
  • google

「X GAMES」のコメンテーターを務めるアクションスポーツ界の重鎮、セレマ・マサケラがホストを務める、BURTON(バートン)が放つ連載ドキュメンタリームービー『MY TURN』。アクションが中心に位置するスノーボードムービーとは一線を画し、横乗りカルチャーの新たな視点から社会に対する問題を提起する内容となっている。グローバルで話題を集めている本作はもちろん英語のため、これまでは一部の日本人しか楽しむことができなかったのだが、BURTON JAPANにより日本語字幕が付けられ、全5回に渡って順次公開されることになった。
最初に登場するのは、X GAMESの人気種目として知られるナックルハックでおなじみ、転倒までも演出に加えてしまう超絶クリエイティブな黒人ライダーとして名を馳せるゼブ・パウエル。幼き頃はカルチャーなど関係なく、純粋に滑ることが楽しくてスノーボードにのめり込み、上達していった。その才能を見抜いたレジェンドライダー、チャド・オッターストロムから将来を嘱望される。好きなライディングを追求し続け、その才能は一気に開花。大会で勝つことではなく、周囲にインパクトを与えるライディングスタイルが確立した。
そのひとつがナックルハックでの滑りであり、一気にその名を世界中に轟かせると、自身はまったく意識していなかったと言うが、黒人スノーボーダーが繰り出す創造力あふれる滑りが世界中のオーディエンスを巻き込んだのだ。彼が頭角を現したことにより、弊ウェブマガジンでも紹介している「RED BULL SLIDE-IN TOUR」などを通じて、特にスポーツとは無縁だった層に対して新しい風を吹き込み、肌の色など関係なく楽しめる遊びがスノーボードなのだと、多様性あふれる雪の世界へ多くの人々を引き込んだ。
ゼブが世界トップクラスのライダーであるという認識は日本人スノーボーダーにもあるだろうが、ライディングスタイルばかりに注目が集まり、さらに、アメリカのように多民族国家ではない我が国では、彼の本当の価値が理解できていないのかもしれない。本ムービーを観ることで、ゼブの真価を知ってほしい。

RECOMMENDED POSTS