COLUMN
10歳の女子スケーターがX GAMES史上最年少メダル獲得から考える横乗りの未来
2023.07.26
スケートボードの話題なのだが、カナダの10歳少女が快挙を成し遂げたのでお届けしたい。堀米雄斗がストリートとベストトリックの2冠を達成したことで日本でも注目を集めた、米カリフォルニア州ベンチュラで行われていたX GAMESの女子バーチカルにおいて、カルガリー出身のリース・ネルソンが躍動。銀メダルを獲得し、X GAMES史上最年少メダリストに輝いたのだ。
K2とのコラボボードなどスノーボードシーンにも影響を与えているスケートボード界の重鎮、トニー・ホークがリースの指導をしていることも注目度を高めている。
「彼女は年齢以上の革新者であることを証明し、新世代のバートスケーターとしての道を切り拓いた。これを整理してみよう。私がスケートボードを始めた年齢と同じ10歳のリースは、私たちが知らかなったトリックをすでに発明しているのさ」
このようにトニーは自身のSNSで気持ちを吐露した。
スノーボード界に話を転じると、今年1月にコロラド州アスペンで行われたX GAMES女子スーパーパイプにおいて、韓国のチェ・カオンが14歳3ヶ月で金メダルを獲得し、これまでの最年少金メダリストだったクロエ・キム(アメリカ)が持つ14歳9ヶ月の記録を塗り替えた。男子では、平野歩夢が14歳2ヶ月で獲得した銀メダルが最年少メダリストの記録である。
2021年の東京五輪が初のオリンピックとなったスケートボードでは、女子パークで銀メダリストに輝いた開心那が12歳11ヶ月で最年少メダリストになった。2014年に行われたソチ五輪で銀メダルを獲得した歩夢は15歳74日での快挙であり、スノーボードにおける最年少オリンピックメダリストとしてギネス世界記録に認定されている。
最年少のオリンピックメダリストは、1896年のアテネ五輪において体操団体で銅メダルを獲得したディミトリオス・ロンドラス(ギリシャ)である。100年以上の時を経て、横乗りライダーの誰かがこの記録を打ち破る日も近いのかもしれない。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)