COLLABORATE BRANDS
K2が誇りとともに打ち出す新生フリーライドカテゴリー「LANDSCAPE COLLECTION」
2022.11.30
流行りに惑わされることなく、スノーボードの開発が推し進められた当初から一貫して「スノーボーダーに求められるプロダクト」を作り続けてきたK2 SNOWBOARDING(ケイツー スノーボーディング)。そんな彼らに「明確な存在理由を持って作った」と言わしめるフリーライドカテゴリー「LANDSCAPE COLLECTION」が、22-23シーズンより登場した。いつの時代もプロダクトをブランドの中心に据え、まるで雪山へ新たなラインを刻むように挑戦を続けるブランドから送られる、最高品質のスノーボードたちを紹介する。
LANDSCAPE COLLECTION──すべてのスノーボーダーのためのフリーライドコレクション
LANDSCAPE COLLECTION──すべてのスノーボーダーのためのフリーライドコレクション
目の前にある「LANDSCAPE(風景)」は、山、丘、木、川、湖……など、個々の要素が数多く集まることによって構成されている。我々スノーボーダーにとってのフリーライディングこそこの言葉に象徴されており、K2はフリーライディングを、冒険心や創造性、板の従え方などによって構築される、各々のマインドセット(考え方≒スタイル)である、と位置づけているようだ。同ブランドでマーケティングディレクターを務めるトーマス・ジョンソン氏は同コレクションについて、次のように説明してくれた。
「このLANDSCAPE COLLECTIONは、すべての人のためのフリーライドコレクションを作りたい、という思いからできあがったものです。フリーライドとは、滑る地形によって乗るべきボードが決まるはずだ、というのが我々の考え方です。例えば、北海道・ニセコで一番楽しく滑れるボードと、ワシントン州マウントベイカーで一番楽しく滑れるボードは違います。渡辺大介のライディングスタイルに適したボードと、セージ・コッツェンバーグのライディングスタイルに適したボードも、地形に対するアプローチの仕方でシェイプ、サイドカット、テーパー、キャンバープロファイルなどが異なってくるのです」
EXCAVATOR──ローカルのリゾートやサイドカントリーを縦横無尽に楽しむ相棒
EXCAVATOR──ローカルのリゾートやサイドカントリーを縦横無尽に楽しむ相棒
ボビー・ミークス、ルイ・ファウンテン、ショーン・マッケイ、ヴィレ・イリ・ルオマ、リアン・ペロシ……K2のこれまでの歩みは、このような錚々たるライダーたちが命を預けられるプロダクトを作り続けてきた歴史である。その中で開発された数々のプロダクトはまさにブランドの遺産であり、LANDSCAPE COLLECTIONの開発にあたってもそのDNAは当然引き継がれている。そのうえで、これまでのフリーライドカテゴリーに現代風の刻印を打つべくして、同コレクションの開発は進められたのだ。
フリーライディングの代表的な楽しみ方として、見知ったローカルリゾートでのサイドカントリーライディングが挙げられるだろう。そのためにラインナップされたプロダクトが「EXCAVATOR」である。「Excavate(=抉る、掘る)」という名のとおり、圧雪バーンに深いカービングターンを刻み、降雪の後にはパウダーを散らすことに特化した本モデルは20mmテーパーが入った、いわゆるショートファットボード。ライダーのパフォーマンスを犠牲にすることなく、普段の長さから5cm程度サイズダウンしたものを選ぶことができる。
そして、短いサイズはそのまま取り回しのよさに繋がる。ローカルゲレンデのお気に入りのコースを思い浮かべてほしい。圧雪バーンでは深いカービングを楽しみ、降雪時にはタイトでスティープなツリーの中でパウダーをフリースタイルに攻めたい──そんなライダーにはぴったりの一本となっている。
また、サイズダウンによって懸念される反発の弱さや不安定さは気にする必要がない。オーリー始動時にはテールに配置されたカーボンパワーフォークがフレックスすることにより、多くの素材が噛み合ってボード全体に大きなエネルギーを蓄える。そのため、テールの短さが気にならないほどのエネルギッシュなポップが得られるのである。
さらに、今季より新しく搭載されたS1コアは従来の芯材よりも足元の振動吸収性に優れており、荒れた雪面の滑走でも“彫り師”たる本モデルの滑走性が損なわれることはない。ノーズからテールにかけて伸びるバンブーストリンガーもその振動吸収性にひと役買っており、加えて板全体の剛性を高める効果も。高反発、高耐久、高い振動吸収性を誇るS1コアを採用したEXCAVATORで、ローカルゲレンデを縦横無尽に駆け巡ってみてはいかがだろうか。
MANIFEST JP──フリーライドとフリースタイルの境界線に立つクィーバーキラー
MANIFEST JP──フリーライドとフリースタイルの境界線に立つクィーバーキラー
前出のEXCAVATORは硬めのフレックスに20mmテーパーが施され、テールより長いノーズを持つ、見た目からもわかるフリーライド寄りのモデルだ。対してこの「MANIFEST JP」はミッドフレックスに設定されており、インサート間はキャンバーでありながら、ノーズ側にかけて緩くライズするロッカーが組み合わされている、ディレクショナルツイン形状となっている。
ツインボードに跨ってフリースタイルマインドを常に感じたいが、様々な地形への安定したアクセスも可能にしたい。そんなワガママを叶えてくれる一本である。ジョンソン氏は「MANIFEST JPは、常にフリーライドとフリースタイルの境界線にまたがるクィーバーキラーを作ることをゴールに設計されました」と語った。
LANDSCAPE COLLECTIONへのラインナップにあたりフルモデルチェンジが行われた本モデルは、よりレスポンス性を重視するためにキャンバープロファイルが変更されている。また、新しくA1コアという芯材が採用されており、足元に30°のアングルでクロス型に配置された2種類の木材が効率的なプレッシャーの伝達を実現、よりクイックなエッジコントロールが可能になっている。
ノーズ側のロッカーによるパウダーライディングでの浮遊感やキャッチフリーなフィーリングはそのままに、フリースタイルな動きも可能なフレックスと高いレスポンス性を兼ね備えた本モデル。まさにフリーライドとフリースタイルの境界線にまたがるモデルなのだ。
PASSPORT JP──未知の地形へアクセスするためのパスポート
PASSPORT JP──未知の地形へアクセスするためのパスポート
「LANDSCAPE COLLECTIONにラインナップされているボードはそれぞれ独自の存在意義をもち、その目的を表すネーミングがなされている」
ジョンソン氏はこのように説明してくれた。最後に紹介する「PASSPORT JP」は前述の2モデルとは違い、同コレクションのために完全に新しく設計されており、その設計意図は「未知の地形へアクセスするための“パスポート”」である。
未開拓の地へとラインを延ばすとき、もしくは、なかなかコンディションの読めないスノートリップに赴くとき。持っていきたくなるのは、どんなコンディションにも対応できるオールラウンドボードではないだろうか。このPASSPORT JPには前述のA1コアが採用されていることに加え、内部構造にはICG 10™ Triaxファイバーグラスがブレンドされており、不必要にフレックスを硬くすることなく強いスナップを得ることができる設計となっている。耐久性に優れながらも強い反発を得ることができる本モデルなら、ゲレンデクルージング中に見つけた新しいサイドヒットにも、果敢に挑むことができるだろう。
力強いポップを得られるのならフリースタイルに遊びたくなるのがスノーボーダーの性。もちろん、スイッチスタンスでのライディングも問題ないシェイプとなっているため、フリースタイルな動きも可能。それでいて、パウダーライディング時にも威力を発揮する。平均よりやや太めのウエスト幅、8mmテーパー、フロントインサートパックからノーズにかけての緩いロッカーがもたらす効果により、十分な浮力を確保するのだ。
前述のMANIFEST JPとこのPASSPORT JPは、同身長でも欧米人に比べて軽量な日本人の体重に合わせてフレックスが柔らかい、ジャパンモデルとなっている。丹精を込めて作り上げたプロダクトたちを幅広いスノーボーダーに届けたい、という想いが伝わる仕様だ。さすがはクラフトマンシップが光るブランドである。