COLUMN
フリースタイルに垣根はない。岡本圭司の教えでパラスノーボーダーたちが宙を舞う
2022.10.26
平昌パラリンピックから新競技として採用されているスノーボード。障害の種類や程度により、下肢障害のSB-LL1、SB-LL2、上肢障害のSB-ULの3つのクラスに分けられ、スノーボードクロスとバンクドスラロームが行われている。2015年に撮影中の事故により障害を負ってしまった岡本圭司が、北京パラリンピックのスノーボードクロスで8位に入ったことで、フリースタイルを愛する弊ウェブマガジンの読者もパラスノーボーダーたちの存在をご存知だろう。
さる10月16〜19日の4日間、岡本が運営するオフトレ施設・大阪KINGSにて、パラスノーボード日本代表の強化合宿が行われた。岡本(LL2)はもちろん、小栗大地(LL1)、小須田潤太(LL1)、大岩根正隆(UL)が参加。言うまでもなくスノーボードクロスはタイムレースなので、キッカーでのオーリーは厳禁である。なぜかと言えば、エアで高さを出してしまうとタイムロスにつながってしまうからだ。しかし岡本の提案で、フリースタイルの練習を取り入れることになった。
フリースタイルスノーボーディングのマインドとボードコントロールを全員で共有することで、より高みを目指そうという新たな試みである。岡本がバックフリップや180を教えると、メンバーたちはほぼ1日でそれらのトリックを習得したそうだ。これに岡本は「メンバーの意識と感心、そして覚悟が違うなと感じた」とコメントしている。
フリースタイルスノーボーディングに垣根はない。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)