FEATURE
オッサン&オリンピアンがパイプで飛びまくった「BACKSIDE SESSION #7」@カムイみさかルポ
2022.09.18
いつ以来だろう。おそらく、まだライダー活動をしていた20代中頃が最後のはずなので、20年以上ぶりか。四半世紀近くが経過したわけだが、そこには、昔となんら変わらない風景が広がっていた。
日本が誇る屋内ハーフパイプを有する、山梨・カムイみさか(以下みさか)である。多くのオリンピアンを輩出したことで知れられている、愛媛・アクロス重信(1999年11月開館~2012年1月閉館)が屋内ハーフパイプとして名を馳せていたが、それよりも前から存在し、現在でも多くのハーフパイプ愛好家から人気を博している。
今年7月、北京五輪ハーフパイプにおいて7.4mの高さで宙を舞ったハイエストエア記録保持者の平野海祝が、みさかの天井にテールタップしたことで話題を集めたが、そこにはダニー・デイビスやベン・ファーガソンらBURTON(バートン)グローバルチームが撮影のために訪れていた(もちろん貸し切り)。そのことからも、パイプのシェイプがハイクオリティであることは間違いないと言えるだろう。
冒頭で述べたことと矛盾するが、唯一変わったことと言えば、パイプのサイズが大きくなったこと。昔は高さ3m程度だったような気がする。それこそ、知る人ぞ知るみさかローカルの元祖ぶっ飛びライダーで、元SAJ(全日本スキー連盟)のナショナルチームに所属していた石原崇裕が天井に手が届いてしまったことでパイプのボトムを下げた話は伝説と化しているが、当時から全長100mは変わらないとして、現在では高さ4mというハイスペックを維持しているのだ。ハーフパイプデザイナーにより毎日、パーフェクトに近い状態に整備されている。
前置きが長くなってしまったが、さる7月9日、スノーボードコミュニティ「BACKSDIE CREW」限定のセッションイベント「BACKSIDE SESSION #7」をみさかの屋内パイプで開催した。4月下旬に長野・白馬のバックカントリーで行った「BACKSIDE SESSION #6」を滑り終えた駐車場で、僕(編集長)と同い年のFRESHFISH(有料会員)メンバー・岩倉宏徳さんと「みさかセッションやろう!」と盛り上がり、それが実現した格好だ。
若い人は知らないかもしれないが、1990年代は全国各地のゲレンデにパイプが点在しており、Rを駆け抜けていたものだ。しかし、現実離れしたスーパーパイプとわずかな一般サイズのパイプを残すのみとなってしまった昨今。年齢を重ねるごとに身体が動かなくなっているものの、青春時代のイメージだけが先行している40代のオッサンたちが集まり、セッションに臨むことになった。
開催が週末だったことに加え、SAJハーフパイプコーチであり、ソルトレイクシティ&バンクーバー五輪ハーフパイプに出場にした村上大輔が主催、コーチとして國母和宏と佐藤秀平が名を連ねる人気キャンプ「ちゃん村キャンプ」が行われていたことも重なり、CREWとは親子ほどの年齢差のあるスノーボーダーたちであふれていた。数えたわけではないので定かではないが、総勢100人近くいたのでは? CREW一同気後れする中、平昌五輪ハーフパイプ日本代表であり、我らがFRESHFISHの大江光とともに、いざドロップイン!
それでは、本セッションに参加したCREWたちのライディング写真とコメントとともに、現在のみさかとセッションの様子を感じとっていただきたい。
オッサン以外では、ちゃん村キャンプで練習していたFRESHFISHの大木清美さん(スライダー1枚目)がセッション初参加。STALEFISHの高橋学さん(2枚目)、ホシタカヒロさん(3枚目)もパイプライディングを楽しんでいた。
僕はと言えば、秀平に「アーリーウープいいじゃないっすか!(笑)」と茶化されながら、世界のカズを目の前にして(見てないだろうけど)ファースト終了の13時までの約4時間、ほぼノンストップで滑り続けた。順番待ちの時間が長かったから休めるとはいえ、6年ぶりくらいのパイプライディングでボトム落ちに耐えながら老体に鞭を打ちまくるも、なかなか昔のようには滑れない。40代後半だし当たり前といえば当たり前なのだが、いつまでも飛び続けたい。改めて、そう思わされるセッションとなった。
セッション後にカズ&秀平とコミュニケーションを図るチャンスもあり、CREWにとっても充実したセッションになったことだろう。
コンディション悪化により一時クローズしていたが、復旧作業を終えて9月17日から再オープンしたみさか。また行こっと。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: ZIZO=KAZU
special thanks: Kamui Misaka
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