BACKSIDE (バックサイド)

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岩渕麗楽が強い。大技バックサイド1260を決めて圧勝したW杯ビッグエア速報

2021.12.05

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米コロラド州スティームボートで開催されたW杯ビッグエア第2戦であり今季最終戦で、岩渕麗楽が貫禄の優勝を飾った。1本目から格の違いを見せつけてFSダブルコーク1080を決め、87.25ポイントをマーク。BSダブルコーク1080を決めた村瀬心椛とアンナ・ガッサー(オーストリア)両名のポイントを上回った。
2、3本目で村瀬はFSダブルコーク1080を決めることができず、アンナは3本目にCABダブルアンダーフリップ900を決めて合計148ポイントとなり、この時点でトップに躍り出た。これにより最終出走となる岩渕は60.75ポイントを上回れば優勝となり、彼女の十八番であるBSダブルコーク1080を決めれば十分に勝てる戦況だった。
しかし、予選トップ通過を果たした大技・BS1260を2本目にも繰り出していた。1本目にFSダブルコーク1080で勝負に出た理由はおそらく、BS1260のために2本残しておきたかったからだろう。3本目、何を持ってくるのか固唾を呑んで見守っていた。
すると、岩渕はBS1260を繰り出して見事成功。その攻めの姿勢に感動すら覚えた。大会に勝つだけでなく自分自身にも打ち克ち、また殻を一枚破ったわけだ。

大会直後、J SPORTSの生放送で解説を務めさせていただいていた筆者は、岩渕とリモートで話す機会に恵まれた。すると、3本目の出走前に村瀬やアンナの結果を知らなかったそうだ。彼女たちが成功している前提でBS1080では勝てないと判断、BS1260を放った。周囲に流されることなく勝負に集中していた結果だったのだろう。
 
また、男子では歴史が動いた。史上初となる中国人ライダーが優勝を飾ったのだ。
シャオミンことスー・イーミンがBSクワッドコーク1800とFS1800を決めて快挙を成し遂げた。大塚健を育て上げた佐藤康弘氏がコーチを務めており、17歳のシャオミンは加速度的に急成長中。11月24日に初成功を収めたFS1800をバランスを崩しながらも大会で決めるのだから、北京五輪まで残り2ヶ月あまりでどこまで仕上げてくるのか注視していきたい。

前回のクール大会に出場が許されなかった大塚健は見事予選を突破し、決勝1本目にCABトリプルコーク1620を成功するもポイントは伸び悩み、2、3本目はFSクワッドコーク1800の着地に嫌われた。また、16歳の荻原大翔は今シーズンよりW杯を転戦しており、2戦目にして予選を見事2位通過。BSクワッドコーク1800を2本目に決めて3本目で勝負に出るも、スイッチBS1620の回転がやや余ってしまい、その回転力を抑えることができず万事休す。

リゾートに造成された落差の大きいジャンプ台が舞台となった今大会。着地時の衝撃は大きいように映ったが、滞空時間や飛距離は十分に稼げたため、男女ともに大技が続出した。男子では1980が飛び出すと予想されたジャッジングだったため、BSトリプルコーク1440を成功させても30点台しか出ないというシーンもあったほど、4年に一度の祭典に合わせて、急速にレベルが上がっている。
それを牽引しているのは、今やアジア人たちだ。
 
女子結果
1位 岩渕麗楽(日本)
2位 アンナ・ガッサー(オーストリア)
3位 アニカ・モーガン(ドイツ)
7位 村瀬心椛(日本)
12位 鬼塚 雅(日本)
14位 芳家里菜(日本)
全結果はこちら
 
男子結果
1位 スー・イーミン(中国)
2位 クレメンス・ミラウアー(オーストリア)
3位 モンス・ロイズランド(ノルウェー)
7位 荻原大翔(日本)
9位 大塚 健(日本)
12位 飛田流輝(日本)
15位 國武大晃(日本)
47位 濱田海人(日本)
49位 木俣椋真(日本)
全結果はこちら

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