舞台は日本が誇る豪雪地帯、新潟・妙高に位置するロッテアライリゾート。新型コロナウイルスが蔓延拡大する直前だった2020年冬、JPソルバーグやロメイン・デ・マルチらレジェンドたちが運営するライダーズブランド、YES（イエス）クルーが来日した。
2019-20シーズンは暖冬に苦しめられたわけだが、降るところには豊富な雪があったということだ。JAPOWを切り裂き、山を下りればそれをツマミに仲間たちと一献傾ける。当たり前だったことが難しくなっている今だからこそ、コロナ前のこうしたスノーライフが眩しく映る。
そして特筆すべきは、オープニングから義足で酒を喰らい異彩を放っている鈴木“POSITIVE”隆太である。17歳のときにバイクの事故で左足を失うも、スノーボードクロスで平昌パラリンピック出場を目指して格闘し、現在はバックカントリーにまでフィールドを広げて活動している。また、スノーボードやスケートボードをはじめとしたアクションスポーツを行うための義足や、スポーツをするための情報を提供する団体「TEAM POSITIVE」の代表を務めている。筆者も面識があるのだが、まさしく超ポジティブな男である。
本日、東京パラリンピックが閉会式を迎える。パラアスリートたちに感動を与えてもらった日々を振り返りながら、鈴木のライディングも噛み締めていただきたい。