ジェレミー・ジョーンズ。彼のことに話が及ぶと必ず「ジブのほう？ それともパウダー？」と確認していたわけだが、ここ数年、その名を目にしてもパウダーの彼しか観ることはなかったのではないだろうか。そう、もう一方のジェレミーは2017年1月11日の雪崩事故により両脚を骨折するなどの重症を負い、ライダー生命を絶たれてしまっていたのだ。
かつて一世を風靡したFORUM 8のメンバーであり、JPウォーカーとともに現在へと繋がるアーバンライディングの礎を築き上げたと言って間違いない。さらに、ストリートだけでなくバックカントリーでも大活躍。現在のフリースタイルスノーボーディングに多大なる影響を与えた男、そちらのジェレミー・ジョーンズの話である。
事故直後に搬送された病院で医師より、プロとしてはもちろん、滑り続けるのは難しいと宣告されてしまうことに。車椅子と松葉杖で過ごすなか、フィットネスバイクでの運動の許可を得ると、それに従うことはせずにマウンテンバイクにまたがった。これが人生のターニングポイントになるとは、そのときは思いもよらなかったのだろう。
脚への負担が少ないE-マウンテンバイク（電動アシストマウンテンバイク）の存在がリハビリを後押しし、彼に生きる活力を与えた。フィットネスバイクではこうはいかなかったのかもしれない。横乗りではないものの、E-マウンテンバイクにより自由を手に入れたジェレミーは、水を得た魚のように野山を駆け回った。その結果なのである。
絶体絶命の窮地に立たされていたジェレミーが、スノーボーダーとして再起するまでの感動ストーリー。以下のムービーは日本語字幕での視聴が可能なので、ぜひ、その目撃者になってほしい。