BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

ジェイミー・リンの美しすぎるスタイルを周知させたマスターピース『R.P.M.』

2016.09.12

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過去の映像作品でもっとも再生したかもしれない。1993-94シーズン発表、Fall Line Films(FLF)が手掛けた不朽の名作『R.P.M.』だ。現在もレジェンドライダーとして揺らぐことのない地位を獲得しているジェイミー・リンのスタイルは、この作品を通して世界中に周知されたといっても過言ではない。

前作『ROADKILL』に続いてデイブ・シオーネ監督がメガホンをとり、同様にロードトリップを基調とした作品。ダッジ・チャージャーを乗り回す若者たちがトリップを楽しみながら、バックカントリーも一部含むものの、ほとんどがゲレンデ内の自然地形やパークといった等身大のフィールドにおいて、スケートライクなトリックを繰り出す映像叙事詩である。
手に届きそうなスタイリッシュなトリックたち、ストリートテイストのファッション、そしてパンクのサウンドが絶妙にマッチし、観る者は心を踊らせながら、彼らの動きに惚れ込んだ。シフティやレイト180、360や540が中心のスピントリック、バタートリックなどをコピーしようと躍起となり、この作品はスノーボーダーたちのバイブルと化したのだった。
とは言え、この頃から進化の兆候はあった。当時はトウ抜きが基本とされていたフロントサイドスピンだが、ジェイミーはすでにヒール抜きで360を回していた。また、ブライアン・イグチは恐らくメイクしていないもののバックサイド1080を回すなど、スケートボードとの差別化を少しずつ図り始めていたのかもしれない。
以外にも、マイク・ランケットのパウダーライディングやバタートリック、クリス・ローチのスタイリッシュなスピンなど、見どころ満載なのだが、特筆すべきはやはりジェイミーだ。ジェイソン・ブラウンと共演しているラストパートは、スノーボードにスタイルという息吹を与えた決定的瞬間と言えるのかもしれない。ジェイミーが超絶スローにフロントサイド360を回しながらインディグラブのノーズボーンで魅せるフッテージ(23:59〜)は、世界中のスノーボーダーたちが幾度となくビデオテープを巻き戻したに違いない。
こうして、ジェイミーの名が世界中に轟くとともに、フリースタイルスノーボーディングのクールさが最大限に表現されたのだ。

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