BACKSIDE (バックサイド)

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HOW TO

ライディングスタイル別“ハードギアの組み合わせ方”

2016.08.18

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ボードをコントロールするうえで、自らの意思や力は、身体に直接触れているブーツを通してバインディングへと伝わり、そのバインディングを介してボードを操作することになる。スケートボードはソックスとシューズのみであり、これは日常と基本的に変わらない。サーフィンは真冬を除けば素足だ。このように、スノーボードのアクションはプロダクトに大きく左右されるスポーツである。ボードやバインディング、ブーツを“点”で選ぶのではなく、“線”と考えてセレクトすることが重要なのだ。反発力を活かして高く飛びたいから硬めのボードをチョイスしたのに、足回りのギアが柔らかすぎてはコントロールが難しいということは想像に難くないだろう。三位一体。そう、ボード×バインディング×ブーツの組み合わせが見事に調和すれば、最高のパフォーマンスに繋がるわけだ。

FOR FREERIDING
フリーライディングに適した組み合わせ方は?

ミドル~ややハードなギアでまとめる

言わずもがなカービングが重要であり、地形を活かしたトリックも取り入れるわけなので、キャンバーをベースとしたハイブリッドボードやミニキャンバーなど、エッジング力に長けたボードを推奨したい。さらに言えば、シェイプはツインチップよりもディレクショナルやディレクショナルツインのほうが多様性に富んだライディングが可能だ。ツインチップであれば、意識的にセットバックを入れよう。また、高速時に安定感を生み出すためにも、フレックスはミドル~ややハードのレンジ内で選んでほしい。それでいて、トーションが柔らかく操作性に優れたボードがベターだ。
中高速域でのフリーライディングを楽しみたいのであれば、エッジtoエッジの反応力がカギを握るので、ボードのフレックスに合わせてバインディングもやや硬めのモデルをセレクトしよう。ハイバックの硬さは乗り手の好みに左右されるため、サポート性と動作性のバランスを考慮したい。ブーツに関しても、パワーをロスさせることなくボードに伝達できるモデルが望ましいので、ミドルからややハードということになる。加えて、足首周りの自由度が高いものを、ライディングスタイルに合わせて選ぼう。

FOR STRAIGHT JUMP
ジャンプに適した組み合わせ方は?

レスポンス力と柔軟性を兼ね備えたセットアップ

テイクオフ時のオーリーが重要になるので、反発力の高いキャンバーボードがベストだ。ロッカーやロッカー要素を含むハイブリッド系の場合、オーリーで生まれる反発力が分散しやすく、着地での安定性も劣ってくる。また、スピンでは回転のキッカケを作るためにアプローチ中に緩やかなターン弧を描く必要があるのだが、その繊細なエッジワークにはキャンバーが有効。さらにキャンバーであれば、着地時に多少バランスを崩したとしても、センターへ戻ろうとする力が作用するためリカバリー性に優れている。ビッグキッカーにトライする上級スノーボーダーであればハードなフレックスを、初中級者であればややソフト~ミドルのボードを選択しよう。
バインディングに関しては、ベースプレートが硬くてレスポンスがよいタイプを選びたい。エア中にスタイルを出すためにも、ハイバックはややソフトからミドルフレックスのモデルがいいだろう。ブーツもボードと同様に、高速でのアプローチが必要なサイズのキッカーを飛ぶようであれば硬めのモデルを、中低速であればややソフト~ミドルフレックスになる。バインディングとの相性やバランスを考え、レスポンス力を重視しながらも柔軟性に優れた組み合わせを目指そう。

FOR GROUND TRICKS & JIBBING
グラトリやジブに適した組み合わせ方は?

スタイルに合わせたボード選びに柔軟な足回りを

グラトリやジブでは取り回しがよい軽量なギアを選びたい。ボードレングスは操作性や回転性を重視して短めに、スイッチになることが多いためツインチップがオススメだ。ダブルキャンバー形状でロッカーが強めのボードは、体軸を移動するだけでノーズやテールを浮かせやすいので、プレス系トリックを重視するスノーボーダーに最適だろう。キャンバーがベースとなるダブルロッカーボードでは、反発力を持ちながらも余計な引っ掛かりを軽減してくれる。基本的には柔らかめのボードということになるが、ある程度の反発力があったほうがトリックの切り替えがスムースに行えるだろう。
バインディングは、硬いモデルだと反応が速すぎるため、アクションのつなぎ部分でありトリックのピークにあたるタメが作りづらい。なので、ねじれ剛性が柔らかいモデルを選んでほしい。柔軟性のあるベースプレートを活かすことで、スケートライクなライディングスタイルを目指そう。ブーツは足首の可動域が広いソフトタイプのモデルを推奨する。コンボトリックなど細かく複雑なアクションが多くなるため、ブーツのフィット感はもちろん、バインディングとのマッチングも重視したい。ヒールカップとカカト部分の相性などに気を遣いたいところだ。

FOR POWDER RIDING
パウダーに適した組み合わせ方は?

深雪での浮力を最大限に活かせる機能に着目

ノーズが太くてテールの細いテーパードシェイプ、ノーズ部分がロッカーになっているパウダーロッカーなど、パウダーライディングに特化したボードであれば、深雪でも簡単に浮力を得ることができる。そのため、極端にボードを長くする必要はない。また、パウダー用のセッティングとはいえ、そのポイントへ移動するためには圧雪バーンなどあらゆるフィールドで滑る必要性があるため、セットバックしすぎるなど過度なセッティングには注意したいところ。また、パウダーボードではなくても、ディレクショナルやディレクショナルツインのボードでセットバックし、スタンスを前向きにセッティングすることで乗りやすさが増すのだ。
足回りは硬すぎないほうが自由度が高まるため操作性に優れ、急な動きにも対応可能。リアでエントリー&ロックできるタイプのバインディングは深雪でも装着しやすく、多くのパウダー愛好家に選ばれている。また、ストラップの面積が広いと足への圧力が分散されるので、スケートボードやサーフィンに近い感覚でパウダーライディングが楽しめるぞ。ブーツに関してはソフトからミドルフレックスのもので、足首周りが柔軟なモデルは動きやすくてオススメだ。

photo: Akira Onozuka

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