BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

不朽の名作『ROADKILL』が現代に通ずる理由

2016.08.18

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古きを知り新しきライディングスタイルを創造せよ

1993年にFall Line Films(FLF)からリリースされた名作ビデオ『ROADKILL』をご存知だろうか。ベテランスノーボーダーであれば言わずもがなであろうが、そうではない若い世代に向けて声高に訴えたい。このビデオが現代スノーボードの礎を築き上げたのだ、と。
この映像を観て虜になったスノーボーダーが世界中に溢れた。その頃の日本は第二次ベビーブーム世代が20歳前後だったこともあり、感度の高かった若者たちが飛びついたことでスノーボードが一気に広まった。

この時代のパークは発展途上であり、現在のようにバックカントリーがメインフィールドではなかったため、ゲレンデ内の自然地形を活かしたフリースタイルなライディングスタイルが主流だった。そのスタイルに魅了されたスノーボーダーが後を絶たなかったわけだが、現在の一般スノーボーダーに置き換えて考えたとき、まさにこの映像が改めて注目に値する作品なのでははないか。そう感じている。
なぜかと言えば、大半を占める社会人スノーボーダーであれば滑走日数が限られるため、巨大化したパークでパフォーマンスを発揮できるレベルに至るまでのプロセスが難しい。さらに、適正サイズのパークでトリックを繰り返し練習したとしても、技数という意味では伸びしろに限界がある。だからこそ、現在は地形遊びと称されるフリーライディングが人気を集めているわけだ。それは、この20年以上前に大ヒットした『ROADKILL』が、再びバイブルと化す日が到来したとも言い換えられるのかもしれない。

その中身を簡潔に説明しておくと、1976年式のキャデラックリムジンに乗って、ユタ州スノーバード、コロラド州ブリッケンリッジ、ワシントン州マウントベイカー、カリフォルニア州ベアマウンテンなどをロードトリップしながらライディングする映像作品。旅人はブライアン・イグチ、テリエ・ハーカンセン、マイク・ランケット、ジョン・カーディエルといった現在のレジェンドたちを中心に、彼らの先輩格であるショーン・パーマーやクリス・ローチ、そして後に一世を風靡することになるジェイミー・リンらとセッションを繰り広げるストーリー。

映像の端々には、プロスケーターでもあったジョンによるスケートボードでのライディングシーンも収録。ほかにも、ストリートダンスやウェイクボードのシーンが盛り込まれるなどライフスタイルのニオイが漂う映像構成は、改めて観ると新鮮に感じられるはずだ。
当時はネルシャツやデニムなど本物のストリートファッションを身にまとい、スケートボードかのように雪上を駆け抜けるスノーボーダーが溢れていた90年代初頭。あれから20年余りが経過したわけだが、現在ではストリートテイストのウエアが人気を博し、先述したようにライディングスタイルもリンクするなど、まさにリバイバルと言えるのではないだろうか。
当時を知る人はもちろん、知らないスノーボーダーであったとしても感情移入して観ることができるはずだ。不朽の名作『ROADKILL』を、しかと目に焼きつけよ。

rider: John Cardiel / photo: Bud Fawcett

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