BACKSIDE (バックサイド)

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INTERVIEW

トラビス・ライスがスノーボードを愛する真の理由

2016.09.27

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さる9月15日、超話題作『THE FOURTH PHASE』のプレミア上映会のために来日していたトラビス・ライスに会うことができた。気になる作品についてインタビューを行ったわけだが、その前に、トラビスがスノーボードを愛してやまない理由を知りたかった。常軌を逸した巨大ジャンプ、雪崩に負けることなく駆ける滑走力と精神力。あれほどまでの超人……いや、鳥人の彼が考えるスノーボード観に迫った。

 

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長野・白馬の難しくも美しい地形を攻略するトラビス・ライス
 

オレがスノーボードを好きな理由は至ってシンプルさ。ターンというシンプルな動き。ただそれだけ。

子供の頃、スキーにハマっていたときのこと。パウダーの日がもちろん最高だったけど、ただ単に山を滑り下りるだけでは満足できなかったんだ。そして、初めてスノーボードに乗ったとき、最初の2、3日はもちろん違和感があったよ。誰だってそうだったと思う。
 
でも、その後どんどん上達して、ターンができるようになったんだ。たしか、スノーボードを初めて4日目のことだったと思う。エッジからエッジへとターンを繋げるスリルにのめり込んでいった。20年経った今でも、それはまったく同じ気持ちさ。ターンを繋げるこの感覚が、スノーボーディングで一番最高の瞬間なんだよ。それは、ずっと変わらない。これが、オレにとってのスノーボーディングなのさ。
 
アラスカのビッグマウンテンやコンテストのことはよく話すけど、多くの人は、このシンプルなことをあまり話さないよね。エッジが描く美しさとシンプルな喜びに、人々は気づいていないのかもしれない。
 
日本には歴史をリスペクトし、まわりを敬う文化がある。GEMTEMSTICKなど、スノーボードの文化もしっかり確立している。ZEN(禅)の文化───日本のスノーボーディングの美しさは、このなかに生きていると思うよ。

portrait photo: Hikaru Funyu riding photo: Scott Serfas/Red Bull Content Pool translation: Kenji Kato(Scratch Paper Works)

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