BACKSIDE (バックサイド)

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INTERVIEW

YOKOHAMA TIRES × BACKSIDE 特別連載企画
最高の冬を迎えるために。それぞれの冬支度。【ライフスタイラー・福山正和】

2018.11.21

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本格シーズンを目前に控えた11月。プロ・アマ問わず、スノーボーダーであれば、“最高の冬”を迎えるための準備を整えている時期だ。スノーシーズンは限られているからこそ、万全を期したい。そこで、プロスノーボーダー、業界関係者、ライフスタイラーと立場の異なる達人たちによる、三者三様の“冬支度”を連載でお届け。第3回目は、都心から山の麓に拠点を移してアパレルブランドを営む傍らで、スノーボーダーとしてはもちろん、プロフィッシャーとしても活動するMofM代表・福山正和に話を聞いた。

同じもので遊ばせてもらう生き方

同じもので遊ばせてもらう生き方

「9月20日に禁漁期に入ってから徐々に気温が低くなっていき、そうこうしているうちに雪がチラつき始める。ここでは四季の移り変わりを肌で感じやすいし、雪山へのスイッチは自然と入ります。ちょうど釣り道具をメンテナンスして片づける頃、新しいスノーボードギアやウエアが手元に届き、セッティングやらカスタマイズやらをする。このギアでどういった滑りをしようかってイメージを膨らませながら」

 

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秋から冬へ、シーズンが切り替わるサイン

 

福山正和。2000年代初頭、高い背丈と長い手足から繰り出されるスタイリッシュなトリックを武器に、コンテストやムービーで活躍したプロスノーボーダーだ。彼は人気絶頂期の20代後半に突然プロ生活にピリオドを打ち、アパレルブランド「MofM(man of moods)」を起ち上げた。

そして、ブランド創設から10年目の夏に再び、突如としてライフスタイルをガラリと変える決断を下す。都心部から群馬・みなかみへと拠点を移したのだ。その背景には、谷川岳が福山のスノーボーダー魂に火をつけたこと、さらにはブランドのラインナップに本格的なアウターウエアを加えるという目的があった。みなかみで山々と向き合う日々のなか、フィッシングに興味を持ち始めたのはごく自然な流れだったと言える。

「スノーボードは上から地形を拾いながら遊ぶけど、渓流釣りは下から拾っていく。知識も装備も経験もないとイメージどおりにはできません。しかも、スノーボードと同じような興奮や達成感があって……。気がつけば、ドップリとのめり込んでましたね」

 

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スノーボードもフィッシングも、同じ沢で遊ぶ

 

何事も凝り性の福山。少年時代は野球でピッチャーをやっていたが、チームプレーよりも壁に向かって投げ込む行為に没頭。スノーボードも圧倒的な滑り込みによってスキルを伸ばした。フィッシングも然り。追求するなら、とことんが信条だ。現在はエクストリームフィッシングという新たなスタイルを引っさげ、新進気鋭のプロフィッシャーとしても知られるようになった。

「新たな沢を開拓するとき以外は、重量のある荷物を背負って山を登り、テントを張って釣りをするっていうのは自分のスタイルじゃありません。できるだけ軽装かつ必要最低限の装備で沢に入り、誰よりも早く狙っているポイントまで行って釣って帰る。あくまでもアクションがメインなんです。それはスノーボードも同じこと。自分は登山家じゃないから、雪山を登るのは滑るため。それにライディングに集中したいので、できるだけ身軽な格好で挑むようにしているんです」

福山の冬支度はすでに整っている。そして、もうすぐ雪山と対峙する日々が訪れようとしている。

「昔は、ずっと雪のことだけを考えていました。スノーボードしかやっていなかったから、たとえそれが夏山であっても。でも、今は釣りっていう媒介ができたことで、季節ごとのいい部分を味わえるようになりました。以前に比べるとライフスタイルもかなり豊かになったと思います。しかも面白いのが、自分が今やっていることは、実は同じもので遊ばせてもらっているということ。谷川岳のパウダーを滑って、その雪解け水で釣りをするわけですからね」


ギアに対する強いこだわり

ギアに対する強いこだわり

再び自分のライディングを追求するようになった福山は、より自分らしい表現を求めて、アウターウエアだけでなくスノーボードも自身で作り始めるようになる。

「ファッションもパフォーマンスの一環だと考えているので、自分らしいウエアは大切。ただ、それを作るだけじゃ満足しなくなっている自分がいました」

これまで彼はカービングのトレーニングボードを作り、水上宝台樹で自身のターンと向き合うシーズンを過ごしたこともあった。より軽いギアで雪山を縦走するために、120cmほどのスプリットボードを作り出したこともあった。

 

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ライディングスタイルを追究した結果、ボードも開発することに

 

「谷川岳の大きなフェイスも攻めましたが、今、自分にとって面白いと感じるのは、里山の林のなかだったり谷川岳のなかでも起伏が豊かな沢地形。そこをトリッキーに滑りたいんです。だから、そういったロケーションをスピーディかつアグレッシブに攻められるボードが必要。もちろん、数年後は何に興味があるのか現時点ではわかりません。ただ、自分は目の前にあるものと真剣に向き合いたい」

その思考はフィッシングでも同じだ。釣り道具も自分の好みに改造したり、ルアーなどは自作することもある。自身が納得するパフォーマンスには、その行為が必要不可欠だからだ。さらに道具だけではなく、移動手段にも彼はこだわっている。渓流釣りにおいて、車で近くまでアクセスできる沢は誰でも入ろうと思えば入れるが、湖の反対側までボートを漕ぎ、そこから沢を登り始めるとなると?

すべては最高のパフォーマンスのために、そして自身の個性を表現するために。そのために必要な労力を惜しむことなく、欠かせないギアはもちろん準備する。それは、雪山への移動手段である車に装着されているタイヤにも当てはまることだ。

「このあたりは豪雪地に加えて斜度があるから、シーズン中は毎日のようにスリップ事故やスタックしている車を見かけます。多くの車が通ることで雪が溶け、夜に気温が下がって凍っていく。路面がアイスバーンになっていることも多いんです。それを目視できれば注意して運転できますが、透明のときがあって……。凍ってないと思ってハンドルを握っているから危ないんです。あと、自宅付近はベタベタした雪でも、みなかみに入った途端に雪質が変わります。だから、濡れてても凍ってても安心できるスタッドレスタイヤは必需品ですね」

 

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ギアに対するこだわりの強さは、スタッドレスタイヤのチョイスにも垣間見られる

 

ここ最近、福山は春から秋にかけては沢をひとりで登って魚とバトルし、冬になれば林のなかをひとりでハイスピードで攻めている。リスキーであることは本人が百も承知。だが、自分のペースで己と向き合うために、彼はそのスタイルを選んだ。もちろん、リスクが高いアクションを望むからこそ、安全面に関しては最大限の注意を払っていることは付け加えておこう。雪山でも、渓流でも、そして雪道でも。よりアクションに集中するためには、事前に準備を整え、余計なストレスはあらかじめ削除しておかなくてはならないのだ。

「きちんと下見をして、どこまでなら自分のスタイルで行けるか、帰りの体力はどれくらい必要か、などを見極めて、限界ラインを決めておく。そして本番は、パフォーマンス重視のスタイルでアタックする。そういったスタイルになってきていますね」


本気で生きるために作り上げた環境

本気で生きるために作り上げた環境

シーズンが終わるたび、「来年こそは!」「もっとできていたはずなのに」と、冬を迎える前に掲げた目標を達成できずに反省会を開くスノーボーダーは少なくないだろう。最高の冬を過ごすために、今からやるべきことはあるのだろうか。自分のスタイルを貫き続けた結果、冬になると雪山に集中できる環境を作り上げた福山の考えはこうだ。

「やりたいことを明確にして、そのために身の回りを整えること。いいパウダーっていつ巡り会えるかわからないじゃないですか。だから、一番いいときに一番いいところに身を置くことが大切なんです。そして、そのタイミングで自由に動けるかってことも重要。自分の休みに合わせてスノーボードを楽しむんだったら、自然界のいいタイミングに合わせられるのは偶然でしかない。だけど、自分のようにスノーボードの本質を、そして極上の経験を知ってしまったら、きっと生活のスタイルを変えないと無理なのかもしれないですね。自分は息抜き程度の気持ちいいじゃ、もう満足できなくなっているから」

 

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自らが手掛けるウエアを身にまといボードにまたがることで、唯一無二のスタイルが生まれる
photo: yoshitoyanagida.net

 

だが、誰もが雪山の近くに引っ越せるわけではない。生活もあれば家庭もあるのだから。福山はどのようにそれらをクリアしていったのだろうか。

「自分の場合も大きなリスクがありました。山をベースにすることで社会と距離ができるし、アパレルブランドを山から発信できるのかって周囲から言われたりもしました。でも、結果的には群馬産の素材にこだわったり、みなかみの山や川でインスパイアされたことを自分のブランドのプロダクトに落とし込めた。さらにアウトドアブランドと契約してアイテムをプロデュースすることもできた。それは熱意を持って仕事を続けてきたからだし、ベースを作らなくても仕事ができる環境を作り出せたからだと思うんです。そのうえで山や川と向き合う。そうすると一本の重み、一匹の重みはまったく違ってくる。達成感も精神の満足度もケタ違いですからね」

 

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地の利を活かして生み出される、こだわりが凝縮された福山の作品たち

 

本気で突き進めば、振り返ると道ができていた。常に新しいチャレンジを続けてきた福山は、まさに新たな道を作ってきたと言っていいだろう。そんな彼にも、また一期一会の新しい冬がやってくる。

「冬支度と言っても、最近は1年単位じゃなくなってきたかもしれません。みなかみにベースを移して、5年、6年って積み重ねてきたものがあって、いろいろ見えてきた部分もあるから。人に惑わされずに自分の道を突き進んだ結果、ようやく自分のなかでの落としどころも明確になってきました。振り返ってみると、そのための準備を数年かけてやってきたような感じですね。もちろん、実際にトライして違ったこともありました。今でこそ林のなかを駆け抜けるようなライディングを追い求めていますが、カービングばかりしてたシーズンもあった。だけど、それはマイナスじゃない。基礎滑走力がアップしたし、トリックばかりを追求していた頃にはなかったボードコントロールを身につけられたから。いろんなことに真剣に取り組んで経験したキャリアが、きたる冬のスノーボーディングに繋がっていくんだと思います」

text: Haruaki Kanazawa photos: Akira Onozuka

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福山正和(ふくやま・まさかず)

生年月日: 1975年7月24日
出身地: 奈良県川西町
スポンサー: Megabass、BIGFISH1983、TONEDTROUT、MofM
 
 

YOKOHAMA TIRES COLUMN

冬の路面状況は刻々と変わります。一日の気温変化によりますが、例えば、朝は凍結路面でも、昼に向かうにつれて少しずつ溶けはじめウエットになり、さらに溶けるとドライな路面が現れます。そして、夜になると降った雪が再び凍りはじめ、翌朝は凍結路面に。このように、スタッドレスタイヤには、氷雪路面、ウエット路面、ドライ路面など、冬の様々な路面状況に対応することが必要となります。
ヨコハマタイヤの「iceGUARD 6」は、専用の非対称パターンと、独自のナノ技術を駆使した新コンパウンド「プレミアム吸水ゴム」を採用し、凍結路面における吸水効果、密着効果、エッジ効果により、氷上性能を従来品(iceGUARD 5 PLUS)比で15%向上し ました。
また、「プレミアム吸水ゴム」には、濡れた路面への接地性を高めるために欠かせない、シリカという素材を配合。ウエット性能を従来品(iceGUARD 5 PLUS)比で5%向上しました。
ヨコハマタイヤの「iceGUARD 6」は、ヨコハマの技術とノウハウを結集し、氷上性能とウエット性能をともに向上させたことで、刻々と変化する様々な冬の路面状況に対応できるスタッドレスタイヤとなっております。

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