BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

スノーボードはいつ、どこで生まれたのか?

2016.10.03

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HISTORY OF SNOWBOARDING Vol.1 〜スノーボードをより深く知るための10の物語〜

1960年代に産声をあげたとされるスノーボードだが、その起源における諸説はさまざまだ。一般的には1965年、アメリカのシャーマン・ポッペン氏が娘へのクリスマスプレゼントとして子供用のスキーを2本のボルトで留めて作ったことを契機に、ボウリングを事業としていたBRUNSWICK社から子供用の遊具として販売されたSNURFER(スナーファー: SNOWとSURFERの複合語)とされている。
 
しかし、1963年に同じくアメリカで、後のSIMS創設者となるトム・シムス氏が13歳のとき、木工製作の授業で単板の底に滑走材となるブリキを貼りつけてオリジナルのボードを作ったことが起源、とも言われている。
 
そして70年代に入ると、あらゆる地でスノーボードの開発が進められていった。最古のボードブランドと言われているWINTER STICKは、1972年にデミトリア・ミロビッチ氏によってアメリカ・ユタ州で設立され、1976年には、アメリカ・カリフォルニア州にて前出のシムス氏によりSIMS SNOWBOARDSがローンチ。そして、14歳の頃にSNURFERからインスピレーションを得たジェイク・バートン氏は1977年、地元アメリカ・バーモント州にてJAKE BURTON SNOWBOARD(現BURTON)を立ち上げた。
 
さらに、この流れはアメリカだけにとどまらなかった。1971年にMOSS SNOWBOARDSの創始者・田沼進三氏が、サーフボードのウレタンフォームとグラスファイバーを使用したプロトタイプとなるボードを製作し、新潟・妙高高原赤倉で試乗していたのだ。それから1979年には、世界初となる固定式ハードバインディングを装備したMOSS SNOWSTICKの販売を開始。ユタ州、カリフォルニア州、バーモント州、そして日本にて、各々が情報を共有することもなく、独自に開発を進めていたというのだから面白い。
 
このように、当時のボードにはフィンが付いていたり、深雪が滑走条件であったり、バインディングがなかったため舵を取るためのロープが装備されるなど、雪上でのサーフィンを想定してスノーボードは生まれたわけだ。ボード形状も現在とは異なり、サーフボードのそれを彷彿とさせるもの。補足しておくと、当時はスノーボードと呼称されていなかった。後に北米スノーボード協会が発足した際、「スノーボード」という名称が誕生。それまでは、スノーサーフィンと呼ばれていたようだ。
 
90年代初頭に巻き起こったニュースクール・ムーブメントがスノーボードを一大産業へと押し上げた原動力であり、それはスケートボードからの影響を大いに受けたものだった。そして現在、日本を含めたベテランスノーボーダーを中心に確立しつつある、スノーサーフィンという潮流。また、一部のマニア層から絶大なる支持を受けている「雪板」という文化。これは、自ら木を削り、ノーバインディングでパウダーを滑るという遊びだ。そう、まさに原点回帰と言えるのではないか。プロダクトやライディングが進化を続ける一方で、このようなムーブメントが生まれている現在のスノーボードシーン。
 
現代スノーボーディングを紐解いていくうえで、サーフィンとスケートボードとの関係性も含めて探っていく必要がありそうだ。
 
つづく
 
※弊誌編集長・野上大介がRedBull.comで執筆しているコラム「SNOWBOARDING IS MY LIFE Vol.2」(2014年10月21日公開)を加筆修正した内容です

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